人は皆老いるとゆったりとした時間の中に、身を置きたいと願うのでしょうか。
決してそんな事はありません。朝早くからそわそわと「何か」をしたそうに起き出す方。
反して「ずっと寝とるのが幸せや」とベットの中から笑う方。
こと「老い」に関しては、人を型にはめて考えようとする事は無意味です。
その方の歩んでこられた生活、習慣、人生、すべてが混ざりあって成された、ひと目では何色とも
言い難い色こそがその人自身なのです。
そんな微妙に見えて全く違った色の方々が、施設という
ひとつ屋根の下で生活を同じにして歩む中、私達には一体何をすることができるのでしょうか。
幾度となく悩んだ末に、思い当たったことは 「その人が、その人らしくあるために・・・」という言葉でした。
老いて他人と同じ事を強要される生活の苦しみ、口惜しさはいかほどでしょうか。 その人の個性が一番に尊重された生活をして頂くことこそ、施設人たる我々の目的です。
しかし、時と共に同じ花を見つめては笑みを交わす、そんな道を歩んで行きたいと願っています。
社会福祉法人 長寿会